シーホースとナッツ

長女「きなこ」と次女「あんこ」の子育て中に考えたこと、の保管場所。

2人きりでの家事&育児は「笑い飯」方式がいい

説明不要かと思いつつご紹介しておきますと、
笑い飯」とは吉本興業所属のお笑い芸人で、
ネタの途中にボケとツッコミの役割分担が
何度となく入れ替わる漫才で知られています。

で、夫婦2人だけで子育てしている家庭の場合
つまり実家などからのサポートが一切ないと、
「やらなければいけないことの量が
人手よりも上回ってしまう」という話は
以前に一度考えてみたことがあるのですが、
そんな大変な状況を乗り切っていく上で
この「笑い飯」方式が有効かもしれない、
ということを我が家の例でお話してみます。

それは一体どういうことかというと、現在
我が家では家事・育児に関する作業のうちの
いくつかを、この笑い飯の漫才と同じように
”日によって夫婦で作業担当を入れ替える”
というやり方でこなしています。

例を挙げるならば、毎日入れ替えている家事は
「朝ご飯の調理」や「お風呂の掃除」です。
また、概ね担当は決まっているものの
日によっては入れ替わる場合があるのが
「ムスメの入浴」や「洗濯物の片付け」など。
更に全く分担を固定せず”気づいた方がやる”
状態のものとしては、「ムスメのオムツ替え」
といったような状況です。

別に最初からそんなふうにしようと決めていた
訳でもなく、2人でいろいろやっていく中での
紆余曲折があって 「こっちの方がいいな」と
決まっていっただけなので、バラつきはあるし
あくまで我が家の場合に限りますが、
この「家事育児の作業分担を固定しない方式」
というのは思った以上にメリットが多いな、と
最近になって実感しているわけなのです。

具体的には、まず第一に何より「有事の時」。
普段から1日おきにはやっていることならば、
たとえどちらかが体調不良などでその日に
担当できなくなったとしても、もう1人が
すぐに「何のハードルもなく」カバーできる。
特に基本がギリギリの状態で回している場合
どちらかが倒れた途端に機能しなくなるのでは
あまりにもリスクが大きすぎるので、
2人ともがマルチプレーヤーであることは
本当に重要になってきます。

また、あとでもう一度触れますが、仮に
ごくたまにしか担当することのない作業でも
最低限「1回はやったことがある」という
状態になっておくことはとても大事で、
そもそも有事の時に完璧にやる必要などなく
ある程度できていれば十分なわけだから、
そんな時に「全くやったことがない」のとでは
実作業のクオリティのみならず、心理的な面で
格段に差が出てくるように思われます。

まあ別にそんな大げさな話でなくても、
実際1つ1つの作業を見ればそれほどの負担では
ないわけですから、その日の相手の体調や
疲れ具合などを見て「今日は代わろうか?」と
お互いが言ってあげられる状態というのが、
単純に各々が「しんどくなりすぎない」ために
有効に働いていますよ、ということなのです。

さらにもう一つのメリットは、
「夫婦それぞれでやり方が微妙に違う」
ということ。
どんな家事も、細かいところまで見てみれば
1人1人が違ったやり方を持っているはずです。
例えばお風呂の掃除であれば、最も汚れが
気になる場所は人によって違うだろうし、
逆に「ここはそんなにやらなくてもいいな…」
と思っている場所も人それぞれかもしれない。
そんな、少しずつ違いのある作業を、
2人が交互にやっていくことでかえって
バラつきが抑えられるというか、結果として
平均的になっていくように思われるのです。

つまり1人だと「ここは別にいいや」と思って
ずっと残り続けてしまうかもしれない汚れも、
もう一人が気にするタイプだったとしたら
ちゃんとそこをカバーできる。
もちろん2人ともが気にしないで残ることも
あるでしょうが、少なくとも確率は減らせる。

同じことが「子どものお風呂」でも言えて、
仮にお風呂での「洗い方」が2人で違っていて
きちんと汚れが落ちていない場所があったり、
逆に不必要に洗いすぎてしまったりしても
担当が入れ替われば平均化されるし、
とにかく「あまり極端なことにはならない」
のではないかと考えられるわけです。
そんなふうに偏りを減らせるということが、
長期間続けていった時に意味を増してくる
のではないかと思われます。

そしてもう一つ、3つめのメリットが
先程も少し触れた”1回はやったことがある”
という作業が増えることによって、
「ボリューム感が把握できる」という点です。

再度我が家での事例を一つ挙げますと、
ムスメの「歯磨き」。実はこれ、少し前までは
ほぼ妻の専任でした。というのも
あまりに激しく歯磨きを嫌がるムスメに対し、
いくら挑戦しても上手くできなかった僕が
「担当することから逃げていた」というのが
恥ずかしながらも理由だったわけですが、
そうやって妻に頼っていた数ヶ月間は
毎日のように申し訳ない思いでおりました。
何しろ、それがどれだけ大変なことかは
身をもって思い知らされているわけですから。
これが「やったことがある」の重要さです。

お互いがそういう経験を持っていることで、
たとえ実際には作業として担当していなくても
相手がそれにどの程度の負担になっているかを
想像することができるようになります。
つまり、その想像力を持っていることで、
相手の負担が過度なものになっていないかに
気づくのもずっと容易になるということです。
もっとわかりやすく言い換えると、
「夫婦仲が悪くならないようにできる」という
すごく重大なメリットになると思っています。
自分自身の経験で言わせてもらえば、
「歯磨きをやってもらっている分は
 何とかこれで埋め合わせしよう…」と
普通に気づかえるようになるわけですね。


さてここまで、めずらしくライフハックっぽい
ことを長々と書いてみました。
「夫婦2人だけで、何のサポートも受けずに」
仕事と家事と育児を正常に回していくには、
おそらく人手の方が確実に足りません。
きっとそれを何とかするべく、
各家庭ごとに様々な工夫が
とっくになされているんだろうと思います。
逆に何の対策もなく、一見奥さんだけで
正常に回せているように見える家庭があれば、
それはもしかしたら奥さんの負担とストレスが
危険な域になっている可能性がありますよね。
大丈夫でしょうか、夫の皆さま。

家族全員、育児という大きな山を越えても
なお「皆で笑って飯を食っていられる」ように
なっているために、今回の例がどこかで誰かの
役に少しでも立ってくれたらうれしいです。