シーホースとナッツ

長女「きなこ」と次女「あんこ」の子育て中に考えたこと、の保管場所。

東洋経済の産後クライシス記事に感動した話

2週間前にこのブログでも触れた、東洋経済
「産後クライシス」がテーマの記事。
今日いよいよ第3回目がアップされました。

東洋経済ONLINE - 産後クライシス

タイトルは【「産後クライシス」でギリギリの
夫を救う方法】、さらにサブタイトルに
「夫を救うのは、隣の夫?」と続きます。
そして男性へ向けて、
職場や友人などの男性同士の関係の中で
「産後クライシス」という言葉や状況を
シェアしてみては?という提案が
記事の中でなされています。

正直、全く予想もしていなかった内容で、
この間自分で書いた「こんなことが
書いてあったらいいのにな」という一文など
今すぐにでも消したい思いに駆られましたが、
そんな自分の考えたちっぽけなことなどより
もっとずっと先を見据えての提案でした。

おそらくその「男性同士でシェアしてみる」
という行動の先に見えているのは、
男性が長時間労働に縛られて身動きできなく
なっている今の状況が変わっていくこと、
そして男性が仕事より家庭のことを優先しても
何ら不利益のない社会になっていくことです。
要するに、「子どもが小さい時くらい、
さっさと家に帰れるようになろうよ」
ということです。

実際我が家の場合、
非正規雇用」という働き方を選択することで
周りのどの正社員よりも早く帰って、
家のことや子どものことに時間を使うという
自由を獲得することができました。
でも同時にそれによって相応の水準の賃金、
いつ無職になるかもわからない不安定さ、
代替要員のいない業務内容など、
色々なマイナス要素も抱えることに
なってしまっているのも事実です。
もしそういうことのない、状況に応じて
誰もがごく自然に「仕事より家庭」に
バランスをシフトできるような、
そんな働き方ができる社会になってくれたら
こんな嬉しいことはありません。

本文中にも、次のような言葉が出てきます。

>「会社」という、男性社会が作り出してきた
>ひとつの”深刻な社会構造”を、
>変えられるかもしれないと思うのです。

いつかIMFのラガルドさんも指摘していた、
「日本人の長時間労働」が生む様々な問題。
それを「産後クライシス」という
強いインパクトを持つ言葉の力を使って
何とか変えていこうというような、
その言葉を生み出した記者さん自身の
強い思いのようなものが感じられて、
何だかちょっと感動してしまったのでした。

いつか機会があれば書くかもしれませんが、
僕個人は今までずっと、いわゆる
「一般的な男性の感覚」というものに対して
相容れないものを感じて生きてきた人間です。
すごく乱暴な言い方をすると
「男嫌い」なフシがあります。
そのため何となく男性に対して厳しい見方に
なりがちというか、この間の文章も
「どうしたって不利益を被ることの多い
出産時の女性に対して、あまりにも自分本位で
想像力の欠けた男性達」に対する怒りの感情に
任せて書いてしまった部分がありました。

それに対して、今回の記事は
男性読者も多い経済誌のサイトにあって、
ちゃんと男性の気持ちに寄り添った上で
非常に具体的な行動が提案されていて、
もう何だかいろんな意味で
恐れ入ってしまったのでした。

今も、 産後クライシス自体は回避されるべき
という気持ちは変わりません。
ただ今回の記事を読んで、
内心ワクワクしたのも事実です。
産後クライシスを呼び水に男性社会を変える。
この試みが今後どうなっていくのか、
とても楽しみに見ていきたいと思います。